コスモスの花 2017.11.06更新

コスモスを見ますと、私は小学校の国語の教科書で習った『一つの花』をふと思い出します。あ…時代が…歳がばれますね(笑)。確か物語の冒頭が『ひとつだけちょうだい。それはゆみこが最初に覚えた言葉でした…』と言うような感じで始まったと記憶しております。

 

おおまかなあらすじは、戦争に行くお父さんに列車の中で食べる為に作った貴重なおにぎりを、お腹の空かせたゆみこが『ひとつだけ!ひとつだけちょうだい』と言い全部食べてしまい、別れ際にぐずり出すゆみこに、お父さんは駅の片隅に忘れられたように咲いているコスモスの花をひとつだけ摘んできて『ひとつだけあげよう。一つのお花、大事にするんだよ…』と手渡します。やがて月日は流れゆみこは大きくなり、庭いっぱいにコスモスが咲いている家でお母さんと楽しそうに暮らしているといった感じです。

 

子供の頃なりに親の子を思う無償の愛に感動した記憶がありずっと覚えていました。またゆみこに対しひとつぐらいおにぎり残してやりなよ!とか、コスモスの花を父の形見だと思って栽培したのかな?とかそういう思いがありました。今改めて検索し読み返してみるとお父さんがコスモスを一輪だけ摘んできた所に意味があり『一つのお花』は『一つのかけがえない命』と言うことだったのかもしれません。『お父さんの命』『お母さんの命』『ゆみこの命』ひとつだけの命を大事にしてというメッセージなのかもしれませんね。

 

季節は今、読書の秋ですね。一度読んだ本でもその時の環境や世代によって捉え方や感じ方が違うものになるのも面白いものですね。

 

コスモスの花

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